2013年9月 のアーカイブ

大分涼しくなってきました。今回は咳と心臓のお話です。

2013年9月25日 水曜日

大分…というかここの所急に朝晩が涼しくなり、今日にいたっては雨も相まってかなり涼しく感じます。
院長の小野寺です、こんにちは。
なるべく更新しようと思ってみても性格が不精なのでかなり間隔が開いてしまいます。
まあ、まったり書いていきたいと思います。よろしくお願い致します。

 

さて、急な気温の低下で問題になってくるのは呼吸器系と循環器系です。
呼吸器系が問題になる原因は、空気の乾燥と吸引する空気の温度が下がることが多いと思われます。
循環器系が問題になる原因は、気温が下がる事で血管が収縮して血圧が上がり、心臓への負荷が高まることがあります。
(もちろん疾患の進行が主原因ですが)

これらが同時に悪化しやすいこの時期には症状として発咳が多く見られます。
咳はその様子から乾性発咳と湿性発咳に別れ、前者は「カッカッ」とか「ケッケッ」という高く乾いた音が特徴です。
後者は「ゴーゴー」とか「ゲフッゲフッ」という低くタンが絡んだような音が特徴です。
全てではありませんが乾性発咳は上部呼吸器(喉頭、気管、気管支、肺)に起因することが多く、湿性発咳は下部呼吸器(肺)と循環器(心臓、大血管)に起因することが多いという特徴があります。

来院される症例の中でしばしば目にするのが「心臓が悪いので咳をすると言われ、薬を飲んでいるが良くならない」患者さんや「咳の薬を飲んでいるのに咳が収まらないどころか最近元気がない」患者さんです。
心臓が原因で起きる発咳は大きく末期に起こる血液の交通渋滞によるもの(肺水腫が代表)と、大きくなった心臓が気管や気管支を圧迫して起きるものがあります。これらは胸部のレントゲン検査と、必要であれば心臓の超音波検査によって程度を鑑別します。この際、連続した発咳によって起こる気管の二次変性(咳が起きていることによる炎症)に対して抗生物質等を処方する場合があります。同様に心臓の病気がある場合でも併発して気管炎や気管支炎を起こしている場合がありますのでこれら呼吸器系の薬を処方する場合があります。
ただ、気管や気管支に作用する薬には心臓に負担をかける薬もあります。前述した「咳の薬を飲んでいるのに咳が収まらないどころか最近元気がない」患者さんがこの例でした。

咳や心臓疾患を理由に来院される飼主様は「咳をよく起こす時間帯があるか」「咳をよく起こす動作(飲水時など)があるか」「咳は単発か、始まると続くものか」「夜寝ている時に咳をするか」をお家で見ていただけると診断の重要な手がかりになる場合が往々にあります。
お家での様子をよくご確認いただいて、可能であれば一分間の呼吸数を測って来院していただけると助かります。(病因では緊張から呼吸数は多くなりがちです。)
安静時の呼吸数の測定は、実は感度90%以上の非常に確実性の高い検査だからです。

よろしくお願い致します。

 

小野寺動物病院 院長 小野寺史也

9月に入りました。(ノミ・マダニの続き)

2013年9月5日 木曜日

わずかばかり暑さが緩んだと思ったら、今度は関東地方を中心に竜巻の被害…一体どうなっているのでしょうか?
院長の小野寺です。おはようございます。

実に一ヶ月ぶりの病院ブログの更新になってしまいました。と、いうのは更新を公開にしていたつもりが非公開になってしまっていました。今後気をつけていこうと思っています。
申し訳ありませんでした。

今回は前回に引き続きノミ・マダニについて、特に冬季について書いてみたいと思います。

非常に簡単に書くと
・ノミ・マダニは完全寄生生物ではないので卵や幼虫は動物の周囲環境に生息し、その数は成虫の数十倍に上る。
・ノミの活動が活発になるのは気温が13℃以上、ダニの場合は15℃以上。(冬季は「感染しない」のではなく「感染しにくい」状態)
・冬季の間、ノミはサナギ状態で、ダニは幼ダニや若ダニなど産卵する前の状態で越冬する場合が多い。
・周囲の気温が高い場所(屋内)では冬季であっても産卵・繁殖が可能。(これをライフサイクルが成立するといいます)

ということになります。
これらの特徴から「冬季も駆虫薬を使用し続けたほうが良い」と考えられます。
これはある面では正しいと思われ、少なくとも冬季の感染・繁殖は抑えることが可能だと思われます。

しかし一方で薬剤耐性寄生虫の存在と、予防薬を通年で使用することに対しての動物の安全面への懸念が存在します。
動物病院で用いられているノミ・ダニ駆除製剤は安全性の試験が確認されたものですが、中には溶媒(薬剤が溶けているもの)や含有薬剤に対して体が反応してしまう場合もあります。

当院では基本的な駆虫として春から冬にかけてのノミ・ダニの駆虫をお願いしていますが、ご希望の場合には通年で処方する場合もあります。
これは動物自身の状態と生活環境によって各々異なると考えているからです。
滴下式の駆虫薬に反応してしまう場合、現在では異なる成分の内服薬もありますのでご質問などがありましたら当院までお問い合わせいただければと思います。

よろしくお願いいたします。

 

小野寺動物病院 院長 小野寺史也