夜はなかなかに冷えますね…(肝臓のお話2)

2014年2月6日

夜の冷え込みと乾燥に少しやられている院長の小野寺です。おはようございます。
自身の寝室はVICKSの加湿器を使っているのですが、加湿量の微調整ができないことが難点ですね。超音波式加湿器よりも加温式加湿器のほうが衛生面で優れているのはわかっているのですが、十分に加湿されていなかったりするとやはり簡便な超音波式が有利なのか…などと考えています。

前回のブログでは
・肝臓が全身の状態を保つ重要な臓器であること。
・消化液の胆汁を分泌することで胃酸を中和すること。
・肝臓の疾患には色々あるが、特に胆汁うっ滞が多いこと。
などを挙げてみました。
今回はその症状と治療について簡単に書いていきたいと思います。

胆汁うっ滞はその名前の通り胆汁が腸管に排出されにくい状態のことで、病気の名前ではなくあくまで「現象」の名前です。原因としては
胆嚢の腫瘍・炎症・胆泥の貯留・胆石の貯留などが挙げられ、このうち多いのが胆泥の貯留です。

胆泥が貯まってしまう要因は加齢・体内のホルモン異常・体内のミネラルの異常(特にカルシウム)・コレステロールの過剰・炭水化物の過剰・胆嚢の炎症等様々です。これらは相互作用しているものもあり、一概に一つだけが原因とはいえません。

症状もうっ滞の程度によって様々です。軽度のものは血液検査でも異常が見られず、健康診断などの腹部超音波検査で確認されることがほとんどです。逆に重度のものではうっ滞のように停留するだけでなく胆嚢の出口が詰まってしまい「閉塞」という状態になります。この場合、本来出て行く胆汁が全く排出されない状態になりますから症状は急性に出てきてしまいます。胆汁色素が血液や皮膚に出てくる「黄疸」、元気がなくなったり食欲の低価、嘔吐が見られる場合があります。

急性の症状で病期の進行が早い場合はそのままにしておくと胆嚢に穴が開いてしまうことで胆汁がお腹の中に漏れだし激しい炎症を起こしてしまいますので、手術で詰まっている原因を除去する必要があります。この場合、胆嚢は再発する原因になる場合が多いですので一緒に摘出します。

症状が軽度で慢性(病期の進行がゆっくりの場合)であるならばお薬による内科的な治療が有効です。胆汁をサラサラにする効果のある薬や胆嚢の出口にある筋肉を弛緩させて胆汁を出しやすくする薬が有効である場合が多いです。ただし落ち着いた状態の胆嚢でも急に症状が悪化する場合もありますので経過観察が重要であることは言うまでもありません。

 

この他にも胆嚢という袋の中にさらに袋状のデキモノができる胆嚢粘液嚢腫という腫瘤もあります。中の袋の中には濃縮されてゼリー状になった胆汁が入っている場合が多く、時間の経過とともにもろく破れやすくなっていきます。基本的に摘出をおすすめしていますが動物の年齢や健康状態によって手術のタイミングはまちまちです。

以上、非常に簡単にですが肝臓、特に胆泥症について書いてみました。

重度のもので発見が遅れる場合もありますが、血液検査と腹部の超音波検査で早期発見が可能な場合も多くあります。

健康診断などで早期発見・早期治療を心がけていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

小野寺動物病院 院長 小野寺史也