フィラリア予防、ノミ・ダニ予防について

2014年4月14日

しばらくぶりに床屋に行った所、診察に使うヘッドライトや手術に使う手術帽のかぶり心地が変わって戸惑っている院長の小野寺です。こんばんは。どうでもいい入り方ですみません(笑)。

今回も時事ネタで、フィラリア予防とノミ・ダニ予防について書きたいと思います。

 

まず完璧な感染予防について書いてみますと

・地域的に動物が感染する可能性のある全ての感染症(ウイルス・細菌・寄生虫)について感染が成立しない、もしくは成立したとしても病害を与えない間隔で薬物を投与する。

…ことだと思います。この方法は感染症防御として間違いなく有効です。

具体的にはウイルスに対してのワクチン、フィラリア(線虫)・蠕虫全ての寄生虫を殺滅できる濃度の薬物の投与、予防効果が十分に得られているかの再評価検査でしょうか。

一方、感染していない病気の治療や予防のため定期的に薬を使っていくことにはやはり抵抗を感じます。投与する薬物の種類や量が増えれば動物の体への負担、飼い主様への金銭的な負担も増えるからです。予防に用いる薬は感染するリスク、すなわち生活環境によってかなり変わるのではないでしょうか?

 

僕の予防についての考え方、まず基本理念について書きたいと思います。それは

・フィラリア、ノミ、ダニは全て定期的な予防や駆虫で防御できるので対応はするべきである。

・駆虫薬は虫を殺す薬である以上、いずれであっても副作用があるので必要量以上の投与はしたくない。投与するならばなるべく負担にならないようにしたい。

・お腹の中に寄生する寄生虫については定期的な便の検査で検出したい。

…ということです。言い換えれば

・感染する可能性が低い感染症については駆虫を最低限度にしたい。もしくは見つけてから治療する。

・かける費用に対する薬の効果を最大限にしたい。

…ということです。大分乱暴な書き方ですが…

 

以下にフィラリアについて述べたいと思います。(ただしこれはあくまで僕自身の考えであり、製薬会社の説明書には則っていません。ご了理解いただけると幸いです。)また、少し長いのでノミとダニについては分けて書こうと思います。

 

☆フィラリア予防について

簡単に説明しますと、フィラリア(犬糸状虫)とは心臓に寄生する線虫(細長い形状の虫の意)で雌雄異体です。交尾して産んだミクロフィラリアは血液中を漂い、蚊に吸われます。ミクロフィラリアは蚊の体内で成長して感染仔虫となり、蚊のその後の吸血時に吸い傷近くに落下して自力で傷口に侵入して感染します。重要なのは蚊が媒介しない限り増えることはなく、感染することもないということです。例えば心臓に2匹の親虫がおり、血液中にミクロフィラリアがいる状態のワンちゃんでも生活環境に蚊がいなければ成虫はずっと2匹のままです。すなわち、近隣にフィラリアに感染しているワンちゃんがいない、もしくは蚊に刺される機会がない場合にはフィラリアの予防は必要性が低いことになります。(完全屋内飼いの場合はさらに低くなります。)

 

当病院でフィラリアの新たな感染を診ることは今までありませんが、すでに感染しているワンちゃんがいらっしゃる場合があります。これは保健所(特に他県)からワンちゃんを引き取った場合が多いです。このような場合、フィラリアによる心臓への負担が軽ければ、フィラリア予防薬を30日毎に内服することで対応します。(成虫駆虫薬は体への負担が強く、成虫が一度に死ぬと肺の複数箇所に詰まることでさらに危険なためです。)

 

それでも感染症である以上、感染率は0になることはありえません。濃厚感染すれば命にも影響する疾患ですので基本的には予防をお願いしています。ただし、動物の生活環境によっては必ずしも月に1度の投薬である必要はないと考えていますので予防薬の種類・投薬間隔についてはご質問いただければと思います。

 

小野寺動物病院 院長 小野寺史也