ノミ・ダニの感染症について

2014年4月28日

本格的に暖かくなってきて、上着いらずの散歩が楽しい季節ですね。小野寺動物病院院長の小野寺史也です。こんばんは。

 

今回は以前に予告させて頂いていたノミ・ダニの予防とその薬についてです。

ここで注釈。

 

※※※当院でフィラリア・ノミ・ダニのお薬を購入された方へ※※※

5月1日から投薬開始をアナウンスしていたのですが再度計算した所、フィラリア薬が1回分不足していることに気付きました。処方を受けた方には順次連絡させていただく予定でいますが、フィラリア薬は6回分必要です!ご迷惑をお掛けして大変申し訳ありません。既に五回分お渡ししている方には無料でもう一回分お渡しいたしますのでお時間のお有りの時にでも病院までお越しいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

さて、ノミとダニの話なのですがまず今回は各々の生態について書きたいと思います。せっかくなので蚊についても書いてみます。

蚊…蚊は、成虫と幼虫の住む場所が、まったく異なります。
蚊の幼虫(ボウフラ)は、水の中で暮らしています。卵から成虫に羽化するまで、水の中での生活が続きます。

その生息場所もさまざまで下水溝・雨水マス・空き缶・古タイヤ・竹の切株・墓地の花立など水が溜まる場所は、すべて蚊の発生源となります。
また、羽化した成虫は木陰などに潜み、産卵するために雌の蚊が吸血します。なお雄の蚊は吸血しません。

雄・雌共に花の蜜や果物の汁、樹液などを食物にしていますが、雌は産卵のために吸血します。
吸血するとそれを消化吸収して卵巣を発達させ、4~5日後に300粒程度の卵を産みます。卵は2~5日で幼虫(いわゆるボウフラ)となり、それから7~10日で4回脱皮してサナギ(オニボウフラ)になり、さらに3日ほどで成虫に。つまり2週間程度で成虫になります。

蚊はボウフラからサナギになっても泳ぎます。この季節の蚊の一生は、卵から成虫になるまでに10日です。成虫になるとおよそ一ヶ月間生きますので、平均して4~5回血を吸って卵を産みます。
産卵場所には必ず雨水のたまる所が選ばれ、卵は乾燥にも強いので、どんな小さな水源であっても周期的に水のたまる所なら確実に育ちます。

フィラリアについて言うと、成虫が交尾して産んだミクロフィラリアが蚊の吸血とともに蚊の体内に入り3回の脱皮を経て感染仔虫になります。仔虫は蚊の嘴の鞘の中に移動して、蚊の吸血の際に開く鞘から落ちて体表にいたり、自力で吸血孔から動物体内に入ります。体内に入った仔虫は近くの皮下組織や脂肪・筋肉の中で2、3ヶ月成長して血管に移行して心臓の右心房で留まります。ここでオスとメスが出会うと交尾してミクロフィラリアを生む事になります。

 

ノミ…ノミは、卵、幼虫、さなぎ、成虫と成長し、それぞれの段階が殺虫剤に対して異なった抵抗性を示します。このため動物の体の上や環境からすべてのノミを取り除くことは大変難しかったのです。
動物に寄生したノミの成虫は、ほとんど動物の体から離れず、吸血と一日当たり20~50個という産卵を繰り返し、最長4ヶ月まで生存し産卵することが可能です。
【1】 犬や猫に寄生したノミは、そこで血を吸い、交接をして、卵を産みます。
【2】 卵はその後すぐに動物のまわりに落下し、そこで幼虫になります。
【3】 幼虫はノミ成虫の糞などを食べ、脱皮を繰り返し、繭を作ってさなぎになります。
【4】 さなぎは繭の中で成虫の形になり、二酸化炭素や熱、近くを通過する動物の物理的な圧力や振動によって孵化し、成虫となり、再び動物に寄生します。

ノミにはイヌノミとネコノミなどがいます。イヌノミはイヌノミ、ネコノミは犬と猫に寄生が可能で、現在確認されるノミの90%がネコノミです。成虫でいる期間も長いですが特筆すべきはサナギの時期です。環境が良ければ4日で成虫になりますが、環境が悪ければ7ヶ月間はサナギのままで維持し、その間に環境が良くなれば成虫になります。

ノラ猫のノミ保有率が高く1年中感染の機会があります。

ノラネコが歩く→成虫を落とす→成虫が次の宿主を探す→犬(猫)が近くを歩く→寄生

そして人が刺されると激烈に痒いです。僕の感覚的には虻よりも痛痒くしかも1周間は続きます。

 

ダニ…ここで言うダニとはマダニのことであり、環境中にたくさんいる微小ダニ(ハウスダストマイト)とは異なるものです。ちなみにごく微小なダニをマイト、大きなダニのことをチックといいます。

ダニの種類は色々ありますが簡単に書くと幼ダニが吸血する→地面に落下して脱皮して若ダニに→若ダニが吸血する→若ダニが落下して脱皮して成ダニに→成ダニが吸血する→メスが血を吸いきると地面に落下して2週間で3000個位の卵を産卵する。産卵したメスは死亡。

重要なのは地面に落ちたダニは草の先端に移動して、近くを通る動物の振動・体温などに反応して飛び移ることです。僕が「公園に散歩に行くならダニ予防も」といっている根拠はここにあります。

 

次回は効率的な外部寄生虫(蚊・ノミ・ダニ)の予防方法について書きたいと思います。

よろしくお願いいたします。

 

小野寺動物病院 小野寺史也