2014年6月21日
6月も後半になり、本格的に暑さも厳しくなって来ました。今日の気温も27℃と真夏日目前とのこと。
これぐらいの気温になってしまうと、ともすれば朝早めの散歩に出かけていても熱中症のリスクがあるため注意が必要です。
以下は昨年の熱中症予防投稿の焼き直しです(汗)。
要約すると犬の熱中症対策としては
・大丈夫だろうと思ってもエアコンを付ける、もしくは扇風機を付けておく。
・地面との距離が近いのと毛皮のせいで、人の体感気温と犬の体感気温の差は意外と大きい。
・霧吹きやスプレーボトルに冷水を入れ、散歩中に吹きかけてあげる。
・外気温が低いうちに散歩する、もしくはいっそ散歩の回数を減らす。
猫の熱中症対策としては
・大丈夫だろうと思ってもエアコンを付ける、もしくは扇風機を付けておく。
…と、動物の熱中症対策で最も降下が高いのは「エアコン」です。こんなことを書くと「省エネでない」と言われてしまいそうですがいいんです。僕は動物を健康に保つのが仕事ですので!
動物にはエクリン汗腺というサラサラした汗をかける部位が足裏などごく限られた部位にしかなく、高くなってしまった体温はパンティング(舌を出してハアハアすること)で体外に逃そうとします。
ただやはり、体の大きさに対して熱交換が出来る部分が狭いため・地面との距離が近いために照り返しを間近に浴びるなどの理由で犬は熱中症にかかりやすい体質・環境にあると言えます。
対策としては
◯気温の低い時間帯の散歩を心がける。(本人が行きたがらなければ行かない選択肢も可です)
・地面の温度を確認する。
・散歩中は木陰など比較的涼しい場所を選んで散歩する.
◯散歩前・散歩中・散歩後に給水を十分に与える。
◎服に保冷剤などを貼り付けておく。
◎霧吹きに新鮮な水道水を入れ、散歩中に体に噴きかけてあげる。
◯少し暑い程度であっても送風機やエアコンを使用する。
などが挙げられます。
熱中症になると元気の低下、食欲の低下、下痢、嘔吐、血尿、血便などが見られ、特に血尿は視認しやすい異常だと思われます。
体を触って特に熱いと感じたときには濡らしたバスタオルやタオルを掛け、その上から保冷剤や氷囊で体表、脇の下、内股などを冷やします。状態の異常が続くようでしたら早めに病院までご連絡下さい。
熱中症は元気な動物が1日で致命的な状態に陥る危険な病気です。体が小さい犬や長毛種で多く認められますがどのような犬種でも悪条件が揃えばかかる可能性があります。注意し過ぎということはないと思いますので、ぜひご留意いただければと思います。
小野寺動物病院 院長 小野寺史也