フィラリアについて

2019年3月21日

Googleさんは週に1回「投稿するといいことあるんじゃない?ん?」という趣旨のメールを送ってきます。

そのメールを確認した僕は基本的に以前の投稿を再投稿するのですが、今回は時期が時期ですのでフィラリアについて書いてみました。

すると再びGoogleさんから「今回の投稿大好評だからもっと投稿してみたら?ん?」というメールが届きました。

 

まぁ追加の投稿はしないんですがGoogleさんが多くの人が見ているみたいだよというお墨付きをくれましたのでブログにも転載&補足してみたいと思います。

いつもどおりに要点を先に書きます。

・都内23区内は緑も少なく、屋外飼育されている犬もほぼいないことからフィラリアに重篤感染する可能性は低い。

・フィラリアは「感染すると命にかかわる」ようなマラリアなどとは違い、感染数に応じて危険度が変わる。

・東京都外によく行く子・ドッグランなどの不特定多数の犬のいる場に行く子・川沿いを好んで散歩する子には予防を考えても良い。

といったところです。

 

以下が転載です。具体的には「蚊がどれほどのハードルを超えてフィラリアを感染させるに至るのか」について書いたつもりです。

そろそろノミダニ予防、フィラリア予防の時期ですね。診察時にもフィラリアの説明をする機会が増えてまいりました。ちょうどいいのでフィラリアの生態について書いてみたいと思います。
まず、まんまと犬科動物の心臓で出会ったフィラリアのオスメスは交尾をし、子供であるミクロフィラリアを生みます。ミクロフィラリアは血液中を流されながら生き続け、たまたま蚊に吸血されたものは数度脱皮をして感染仔虫になります。2週間程かかります。感染仔虫になった虫は蚊の吻鞘というところで感染の機会を伺います。その蚊がまた犬を刺した際に針穴近くに落下した仔虫は自力で体内に入り込みそのまま3ヶ月ほど成長します。その間に何度か脱皮するのですがこの脱皮段階が早い場合にいわゆる「フィラリア症予防薬」という駆虫薬が効きます。
3ヶ月ほど成長した成虫は血流に乗って心臓の右心房に留まり、またオスメスが出会って交尾できれば仔であるミクロフィラリアを生みます。当然ですがオスのみ、メスのみしかいない場合にはミクロフィラリアは生まれません。ただしメスの場合はフィラリア抗体検査に引っかかる量の交代を犬の体が産生します。これがフィラリアの生活環(ライフサイクル)です。

では現代の東京の生活を見直してみましょう。
・屋内で生活する犬は蚊に刺される機会が少ない。(蚊の生活半径は半径10m程。基本的に水場を離れない)
・屋外で生活していない以上、同じ蚊(たまたまフィラリア陽性の犬を刺し、感染能力のある仔虫を持った蚊)に再び刺されることはもっと少ない。
・そもそもフィラリア陽性の犬が極端に少ないため、吸血しに来た蚊がフィラリア感染仔虫を持っている可能性は低い。
・犬の血を使って産卵しようと考えている蚊は人の血でも産卵できるため、動きの少ない毛のない動物を狙う傾向にある。

ということで、フィラリアに罹る可能性自体が少ない上に重篤な状態になる素地(同じ蚊に何度も刺される屋外生活をしていない)のない動物に予防する意義は僕は高いとは感じません。

「検査はするけど予防はしない」という選択肢を犬との生活に取り入れるか検討してみてはいかがでしょうか?ただし、頻繁に都外に外出したり、ドッグランのように不特定多数の動物のいる地域に行く生活をしている子には予防すべきと考えています。
生活スタイルを教えていただければ最適だと僕が考える駆虫スタイルを提案させていただきます。

よろしければご相談ください。

 

小野寺動物病院 小野寺史也