狂犬病予防接種についてと予約枠不足について

2019年4月21日

昼は暖かく、夜は肌寒い程度、という1年で最も過ごしやすい気候にやっとなってきました。

夏は暑いからと外に出ず、冬も寒いからと外に出ない生活をしている僕が少々活動的になる時期です。

小野寺動物病院院長の小野寺史也です。こんにちは。

 

現在狂犬病ワクチン接種の法定期間真っ只中ということで、当院でも連日ワクチン接種を複数行っています。

当院ではワクチンの特性と危険性を考慮して、ワクチン接種は午前中に行うことを推奨しています。

このため午前中の予約枠のほぼ全てが狂犬病ワクチン接種・寄生虫予防の予約で一杯になり、ご予約が受けづらい状況になってしまっていることを大変申し訳なく思っています。

特に新規の飼い主様において午前中を希望されるとすでに5月後半まで枠がないためお待たせしてしまう状況です。1ヶ月様子が見られるような病態であれば良いのですが、急性で強い症状(元気や食欲に影響が出るくらいの症状が突然現れた場合)が出た場合に治療できないことは全くもって僕にとって不本意です。お待ちいただくことをご了承いただければ必ずしっかりと診察いたしますのでご連絡の上ご来院ください。なお、ワクチン接種の予約が集中しない午後であれば診察可能な場合は多くあります。

 

急性アレルギーであるアナフィラキシーショックなどはワクチン接種後15分以内に起きるものですので院内にて20分待機していただいていますが、遅延型アレルギーはワクチン接種後4時間から48時間以内に起こります。このうちの殆どは4時間から8時間で起こりますので起きた際に詳細を知っている病院(この場合は当院)が対処することが望ましいと考えています。

「遅い時間にワクチンを接種するけれど、副作用が出たら開いている病院を訪ねてください」ということは本意でないため午前中と午後の極めて早い時間以外のワクチン接種を僕は推奨しません。そもそもワクチンという予防治療を「ある限定期間中」に接種しなければいけないということは、ワクチンの特性に即していないと言えるかと思います。

飼い主さんが無理なくワクチン接種を動物に受けさせられて、十分様子の観察ができる日に接種することが動物主体の観点から見れば望ましいかと思います。

 

しかし、狂犬病ワクチンに関しては少し事情が違います。4月1日から5月31日までの期間が法律で定められている狂犬病ワクチン接種期間だからです。

ただしこの期間を少々外れても、年度内にワクチン接種を行えば格別大きな問題にはなりません。

東京都であれば、例えば年度内にワクチン接種を行っていない状態で人や他の動物に咬傷事故を負わせた場合、週に1回計3回、動物病院にて「狂犬病に罹患している兆候がない」証明書を獲得する必要が出てしまいます。

また、登録を行っていない動物の場合には即時抑留、もしくは予防員や捕獲人により確保される可能性があることを留意していなくてはいけません。

ただし、何らかの継続的な治療を受けていたり体調不良がある場合などには「狂犬病予防接種猶予証明書」をお渡しすることが可能です。この証明書は本年度の予防接種を接種したことにできるような力のある証明書ではなく「今年の指定期間に予防接種を受けなかったことには理由があるから秋の督促状を送る必要はありませんよ」というものです。必要がありましたら即時無料で発行しますのでご相談ください。

 

まとめてみるとこんな感じです。

1.当院の予約がとりにくい状態については僕の不徳の致すところです。可能であれば集団接種にて接種していただき、都合が合わない場合には当院での接種をお考えください。

2.4月から6月までの法定接種時期を外れることは望ましくないですが、事情がお有りならば時期を外れた場合でも狂犬病ワクチン接種は可能です。

3.ワクチン接種はすべからく、様子を確認できて、病院が対応できる時間帯に接種することが望ましいと思います。

4.継続的な治療を受けていたり体調不良がある場合などには「狂犬病予防接種猶予証明書」をお渡しすることが可能。ただし秋の督促状が不要である旨を通知するものであり接種したかわりにはなり得ません。必要がありましたら即時無料で発行します。

5.狂犬病ワクチンを行わず、登録を行わない行為は「動物が暫くの間、見知らぬ場所で、狭いケージに入れられ、可愛がられもせず、フード単独の食餌で飼育される状況」を起こしかねない行為です。「動物が幸せで長生きできる環境を作る手伝いをする」ことが臨床獣医師の使命と思っている僕には到底容認できかねますのでワンコが未登録の場合には来院時毎回注意します。

 

といったところでしょうか。

 

疑問点などがありましたらメールにて当院までご質問いただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

小野寺動物病院 小野寺史也

 

 

4月30日(火)、5月1日(水)臨時休診いたします。

2019年3月27日

お薬の処方時にゴールデンウィークの事を考えなければならない頃になってきました。

今年は異例の10連休ということで…喜ぶ方々や喜べない方々が別れていそうですね。

こんにちは、小野寺動物病院院長の小野寺史也です。

当院は日曜祝日でも午前中の診察は行っています。ですが今年のゴールデンウィークは長すぎるということで

途中に臨時休診をいただくこととしました。当院の本来の休診日は木曜日ですので4月30日、5月1日、5月2日が休診となります。

継続的にお薬を内服されている飼い主様におかれましては、期間中にお薬が切れないようご確認をお願いいたします。

 

具体的には

4/27(土曜日)…午前・午後診療

4/28(日曜日)…午前診療

4/29(昭和の日)…午前診療

4/30(退位の日)…終日休診

5/1(即位の日)…終日休診

5/2(なぜか休日)…終日休診

5/3(憲法記念日)…午前診療

5/4(みどりの日)…午前診療

5/5(こどもの日)…午前診療

5/6(振替休日)…午前診療

 

ということになります。

ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。

 

小野寺動物病院 小野寺史也

フィラリアについて

2019年3月21日

Googleさんは週に1回「投稿するといいことあるんじゃない?ん?」という趣旨のメールを送ってきます。

そのメールを確認した僕は基本的に以前の投稿を再投稿するのですが、今回は時期が時期ですのでフィラリアについて書いてみました。

すると再びGoogleさんから「今回の投稿大好評だからもっと投稿してみたら?ん?」というメールが届きました。

 

まぁ追加の投稿はしないんですがGoogleさんが多くの人が見ているみたいだよというお墨付きをくれましたのでブログにも転載&補足してみたいと思います。

いつもどおりに要点を先に書きます。

・都内23区内は緑も少なく、屋外飼育されている犬もほぼいないことからフィラリアに重篤感染する可能性は低い。

・フィラリアは「感染すると命にかかわる」ようなマラリアなどとは違い、感染数に応じて危険度が変わる。

・東京都外によく行く子・ドッグランなどの不特定多数の犬のいる場に行く子・川沿いを好んで散歩する子には予防を考えても良い。

といったところです。

 

以下が転載です。具体的には「蚊がどれほどのハードルを超えてフィラリアを感染させるに至るのか」について書いたつもりです。

そろそろノミダニ予防、フィラリア予防の時期ですね。診察時にもフィラリアの説明をする機会が増えてまいりました。ちょうどいいのでフィラリアの生態について書いてみたいと思います。
まず、まんまと犬科動物の心臓で出会ったフィラリアのオスメスは交尾をし、子供であるミクロフィラリアを生みます。ミクロフィラリアは血液中を流されながら生き続け、たまたま蚊に吸血されたものは数度脱皮をして感染仔虫になります。2週間程かかります。感染仔虫になった虫は蚊の吻鞘というところで感染の機会を伺います。その蚊がまた犬を刺した際に針穴近くに落下した仔虫は自力で体内に入り込みそのまま3ヶ月ほど成長します。その間に何度か脱皮するのですがこの脱皮段階が早い場合にいわゆる「フィラリア症予防薬」という駆虫薬が効きます。
3ヶ月ほど成長した成虫は血流に乗って心臓の右心房に留まり、またオスメスが出会って交尾できれば仔であるミクロフィラリアを生みます。当然ですがオスのみ、メスのみしかいない場合にはミクロフィラリアは生まれません。ただしメスの場合はフィラリア抗体検査に引っかかる量の交代を犬の体が産生します。これがフィラリアの生活環(ライフサイクル)です。

では現代の東京の生活を見直してみましょう。
・屋内で生活する犬は蚊に刺される機会が少ない。(蚊の生活半径は半径10m程。基本的に水場を離れない)
・屋外で生活していない以上、同じ蚊(たまたまフィラリア陽性の犬を刺し、感染能力のある仔虫を持った蚊)に再び刺されることはもっと少ない。
・そもそもフィラリア陽性の犬が極端に少ないため、吸血しに来た蚊がフィラリア感染仔虫を持っている可能性は低い。
・犬の血を使って産卵しようと考えている蚊は人の血でも産卵できるため、動きの少ない毛のない動物を狙う傾向にある。

ということで、フィラリアに罹る可能性自体が少ない上に重篤な状態になる素地(同じ蚊に何度も刺される屋外生活をしていない)のない動物に予防する意義は僕は高いとは感じません。

「検査はするけど予防はしない」という選択肢を犬との生活に取り入れるか検討してみてはいかがでしょうか?ただし、頻繁に都外に外出したり、ドッグランのように不特定多数の動物のいる地域に行く生活をしている子には予防すべきと考えています。
生活スタイルを教えていただければ最適だと僕が考える駆虫スタイルを提案させていただきます。

よろしければご相談ください。

 

小野寺動物病院 小野寺史也

歯について(歯垢・歯石・歯周病)

2019年3月12日

やっと風邪が温くなってきましたね。寒いのが大っ嫌いなのであまり外出せずに3ヶ月ほど過ごしている小野寺動物病院院長の小野寺史也です。こんばんは。

今回は動物との生活でどうしてもつきまとってくる歯の問題について書きたいと思います。

いつものように結論を箇条書しますね。

・食肉目である犬猫の歯石沈着の速度は人の5倍以上である。

・歯垢の段階を過ぎた歯石はブラッシングでは除去できない。

・物理による研磨以上に有効な歯石対策は残念ながら存在しない。

・食肉目である犬猫は歯を失ってもあまり困ることはない。

…ということです。

以下に説明を書いていきますねー。

 

人にも歯はありますし、犬猫にも歯はあります。そのためついつい同じ様に考えがちです。しかしここに種別の大きな相違点があります。

人にはものを遮断するための門歯(前歯)、肉を噛み切るための犬歯、あまり硬くないものを砕くための前臼歯、硬いものを噛み砕くための臼歯があります。

このように多種類の歯を持っている理由としては、僕たちの祖先が雑食であることが大きな要因です。果物、木の芽、小動物、木の実など栄養にできる雑多なものを食餌にしていたことが多用途な歯を持つ理由です。特に十分な咀嚼を必要とする硬いものを噛んでいたことで僕たちの口腔には酸に抵抗するためのアルカリを分泌する必要がなくなりました。

 

一方肉食獣である犬猫の主食は肉や骨であり、消化を助けるために人にはない唾液腺を持っています。この唾液腺はアルカリ性であり、犬猫の口腔内をアルカリ性に保っています。酸は物を溶かし、アルカリは物に沈着します。このため犬猫には虫歯ができにくい代わりに速やかに歯石が沈着するのです。

 

近年、動物用フードが食餌の主流となり、犬猫の口腔内環境は劇的に変化しました。炭水化物が主体の食餌をすることで口腔内のpHはあまり変化することが無くなり、歯石の沈着速度が速まったのです。(これは人でも同じことが言え、人の口腔内は基本酸性ですので虫歯が増えました)

特にフードはビスケットやクッキーのような形状ですから一番奥の歯の後ろに留まってしまうのです。犬の舌は人のように器用にできていませんから口の周りを拭うことはできても歯の間にある異物を取ることはできません。(犬猫の舌は薄いですよね?ということは筋肉が少ないということで人ほど自由に舌を動かすことができないのです)

 

ですので歯垢・歯石の沈着を防ぐ最大の手立ては「毎日食べかすを取り除くこと」になります。

 

これがなかなか大変で、特に猫は口腔内が狭いため人の指が入ると違和感が強くなかなか掃除させてくれません。

犬も「ちょ、おい、やめぇや」とばかりに嫌がります。これらの対策として歯磨きになれるために小さな頃から慣れさせることは非常に有用です。

 

しかしもう十分大人のこの場合、やらせてくれない子のほうが多いのではないでしょうか?

そんなときに有用な方法が「食べかすが口腔内に残らない食餌」と「歯垢・歯石除去」です。

 

先に書いたようにビスケットやクッキーのように水が加わると粘土状になる食事が歯石の沈着を助長させます。それならばしっかり飲み込める食餌にすれば必然口腔内に食べかすは残りませんよね?そんな食餌が「肉の給餌」です。噛んでいれば少量の食餌は歯に残りますが、ほとんどの犬猫はおいしい食事は丸呑みします。ゆえに、口腔内に残さずつるっと食べてくれます。そもそも噛まなくても飲み込める大きさに切って与えることができるのですからビスケット状にさえしていなければ問題は少なくなることは道理ですね。

 

そして「溜まってしまった歯石をどうするか」という問題に対しては、

・怒らない子であれば無麻酔で歯石除去をする。当然歯周ポケットも掃除する。

・起こるこの場合、歯石除去の器具を噛むと歯が割れる危険があるため鎮静(意識を奪わない処置、麻酔よりも安全)下で歯石除去をする。

・抜歯の必要があるほど歯周病が進んでいる場合には全身麻酔下で抜歯処置と歯石除去をする。

という方法が対策です。鎮静処置は「動く気が起きないくらいダルいけれど痛みは感じる」状態ですので、痛みをわざわざ与えることは獣医療の精神に反します。

 

口腔内の様子を確認した上で治療方法を提案しますのでよろしければご相談ください。

動物が飼い主様の口を遠慮なく舐められるようにしてあげたいものです。「相手の口を舐める」行為は最大限の親愛の表現方法ですので。

 

よろしくお願いいたします。

 

小野寺動物病院 小野寺史也

狂犬病ワクチン・フィラリア予防・ノミダニ予防について

2019年2月25日

2月も終わり頃となり、少しだけ寒さも和らいできました。

真冬用の着衣だと少し暑いし、冬用だと寒い場面もあり…で出かける際に少し悩むことが多くなった、

小野寺動物病院院長の小野寺史也です。こんばんは。

 

今年もワンちゃんの飼主様にお送りするハガキをお送りし始めています。

(また今月とは限らないのですが、今年からコちゃんの飼主様にもお送りしようと思っています。

内容はワクチンの接種年をご確認いただくのと、健康診断の目安をお知らせするものになるかと思います)

 

ハガキの内容は

①狂犬病ワクチンの接種を3から5月にお願いする旨。(特に、3月2日から2019年度扱いになります)

②外出するワンちゃんで、必要があると思われる場合には5月からフィラリア駆虫薬を開始する旨。

③外出するワンちゃに5月からノミ・ダニ予防薬を開始する旨。

④1歳半以上のワンちゃんで、前回の混合ワクチン接種から3年以上経過している場合には再度のワクチン

接種をお願いする旨。

前回の接種年が不明の場合には病院におたずねいただきたい旨。です。

 

<補足>

①狂犬病ワクチンの接種は現行法でもっとも重要な「義務」にあたります。延期する事由がない場合、

可能であれば5月までの接種が必要です。ただし治療中の疾病がある、以前のワクチン接種で有害事象が

認められた、十分な老齢である、などの事由がある場合にはワクチン接種を猶予できる場合があります。

詳しくはお尋ねください。また、当院では狂犬病ワクチン接種済鑑札札の申請代行は行っていません。

ワクチン接種後、各地域の保健所に申請頂く必要がありますので予めご了承下さい。

 

②基本的に僕は中央区でフィラリア症にかかること、特に重症化することがあるとは考えていません。

フィラリアがいるワンちゃんでも、しっかりと駆虫されていれば感染源にはなりませんが全てのワンちゃんが

されているとは限りません。そこで当院では

・散歩に出ない、出ても近所だけのワンちゃん→予防の必要はとても低い。

・人気のコースを散歩するワンちゃん→予防の必要はまあまあ。

・ドッグランに行ったり東京都外に出かけるワンちゃん→予防の必要は高め。

…として、飼主様と相談して処方するかを決めるようにしています。

 

③ノミやダニは、散歩に出るワンちゃんは感染する可能性があり、感染してから気づかれるまで時間がかかってしまう

場合があるため予防をお願いしています。もちろん出かけない場合には必要ありません。

当院では皮膚への刺激性が比較的低いプラクティックスポットをまずおすすめしています。ただし内服したほうが

メリットが多い場合のために内服薬も用意してありますのでご相談下さい。

(当院ではネクスガードは取り扱っていません。理由としては前述しましたように全部のワンちゃんにフィラリア駆虫の

必要があるとは考えていないからです。)

 

④当院では世界小動物獣医師会(WSAVA)の提言にそって、成犬成猫の混合ワクチンは3年以上接種間隔をあけるように

提案しています。今年接種すべきかどうかをご質問いただければお答えできますのでお気軽におたずねください。

また、ホテルやサロン、ドッグランを利用するにあたって1年以内の接種の必要がある場合には接種可能ですので、

こちらについても必要であればご相談下さい。

 

これら予防医療について僕は「必要最小な物を、必要最低限使って予防すべき」と考えています。

何が最小に当たり、どれぐらいが最低限になるかは生活の仕方によって異なりますのでご相談下さい。

(最近電話でのお問い合わせには診察中の為応じられないことが多く、申し訳ないと思っています。可能であればメールでも返信いたしますのでよろしくお願いいたします。)

 

小野寺動物病院 小野寺史也