ワクチン接種・フィラリア駆虫・ノミダニ予防について

2018年2月16日

2月も中頃となり、少しだけ寒さも和らいできました。

真冬用の着衣だと少し暑いし、冬用だと寒い場面もあり…で出かける際に少し悩むことが多くなった、

小野寺動物病院院長の小野寺史也です。おはようございます。

 

ただいま準備中なのですが、今年もワンちゃんの飼主様にお送りするハガキを用意しています。

(また今月とは限らないのですが、今年からコちゃんの飼主様にもお送りしようと思っています。

内容はワクチンの接種年をご確認いただくのと、健康診断の目安をお知らせするものになるかと思います)

 

ハガキの内容は

①狂犬病ワクチンの接種を3から5月にお願いする旨。

②外出するワンちゃんで、必要があると思われる場合には5月からフィラリア駆虫薬を開始する旨。

③外出するワンちゃに5月からノミ・ダニ予防薬を開始する旨。

④1歳半以上のワンちゃんで、前回の混合ワクチン接種から3年以上経過している場合には再度のワクチン

接種をお願いする旨。前回の接種年が不明の場合には病院におたずねいただきたい旨。です。

 

<補足>

①狂犬病ワクチンの接種は現行法でもっとも重要な「義務」にあたります。延期する事由がない場合、

可能であれば5月までの接種が必要です。ただし治療中の疾病がある、以前のワクチン接種で有害事象が

認められた、十分な老齢である、などの事由がある場合にはワクチン接種を猶予できる場合があります。

詳しくはお尋ねください。また、当院では狂犬病ワクチン接種済鑑札札の申請代行は行っていません。

ワクチン接種後、各地域の保健所に申請頂く必要がありますので予めご了承下さい。

 

②基本的に僕は中央区でフィラリア症にかかること、特に重症化することがあるとは考えていません。

フィラリアがいるワンちゃんでも、しっかりと駆虫されていれば感染源にはなりませんが全てのワンちゃんが

されているとは限りません。そこで当院では

・散歩に出ない、出ても近所だけのワンちゃん→予防の必要はとても低い。

・人気のコースを散歩するワンちゃん→予防の必要はまあまあ。

・ドッグランに行ったり東京都外に出かけるワンちゃん→予防の必要は高め。

…として、飼主様と相談して処方するかを決めるようにしています。

 

③ノミやダニは、散歩に出るワンちゃんは感染する可能性があり、感染してから気づかれるまで時間がかかってしまう

場合があるため予防をお願いしています。もちろん出かけない場合には必要ありません。

当院では皮膚への刺激性が比較的低いプラクティックスポットをまずおすすめしています。ただし内服したほうが

メリットが多い場合のために内服薬も用意してありますのでご相談下さい。

(当院ではネクスガードは取り扱っていません。理由としては前述しましたように全部のワンちゃんにフィラリア駆虫の

必要があるとは考えていないからです。)

 

④当院では世界小動物獣医師会(WSAVA)の提言にそって、成犬成猫の混合ワクチンは3年以上接種間隔をあけるように

提案しています。今年接種すべきかどうかをご質問いただければお答えできますのでお気軽におたずねください。

また、ホテルやサロン、ドッグランを利用するにあたって1年以内の接種の必要がある場合には接種可能ですので、

こちらについても必要であればご相談下さい。

 

これら予防医療について僕は「必要最小な物を、必要最低限使って予防すべき」と考えています。

何が最小に当たり、どれぐらいが最低限になるかは生活の仕方によって異なりますのでご相談下さい。

 

よろしくお願いいたします。

 

小野寺動物病院 小野寺史也

 

診察に関する院長の独り言②

2017年11月2日

急に寒かったり、今日は暑かったり、安定しない天気ですね。今日が診察日ならばむしろ気づかないのですが、本日は休診日なので普段の診察に関してちょっと考えてみています。

 

当院は「半予約制」であって「完全予約制」ではありません。これは医療という側面で予測出来ない事態が往々にして起きることを鑑みての選択です。ですので急患の方、調子の悪い方は直接(準備があるので可能であればご連絡の上)ご来院されて何の問題もありません。

 

僕が心配しているのは「予約の枠が埋まっております」とお応えした際に「じゃあ今日は診察できないということなのか」とお考えになってしまう飼主様がいらっしゃり、当院での診察が途中であるにもかかわらず他院にいってしまう場合があるのではないかということです。他院の診察診断能力について今回お話するつもりはありませんが、他の病院での治療の意図を汲むということは中々難しいものです。

 

簡単な症例を例に出します。外耳炎だとすると、外耳炎にはいくつかのステージがあり

●甚急性期:耳道が赤く腫れ上がり、耳垢が多量に貯留している状態

●急性期:耳道は赤いが腫脹はしておらず、耳垢が貯留している状態

●慢性期:耳道は正常色から発赤しており、少量の耳垢が貯留している状態

●鎮静期:耳道は正常食で耳垢の貯留が見られない状態

などです。

当院では甚急性期には消炎抗菌抗真菌製剤を入れて炎症た疼痛が治まるのを待ちます。その後急性期や慢性期に移行した時点で耳道の洗浄を行い、耳垢を完全に除去した状態を作ると同時に病原体の特定を行います。効果のあるお薬を含む薬剤を選別し、鎮静機を目指すのが当院の方法です。

 

ただ、中には耳垢除去を行わない獣医師もおり、症状として耳を掻く仕草がなければ良いとする獣医師もいます。

どの動物病院を選べるのは飼主様だけですのでご希望の病院を選ばれて下さい。

 

あと、ご予約で入ることが多いのが定期的な血液検査の飼主様です。

恒常的に肝臓や腎臓、甲状腺や心臓病のお薬を内服している場合、定期的な検査が必要となりますので。

この中では心臓の状態確認は幾分お時間を頂きますが、その他の疾患の場合は血液検査のみですので1枠30分の後半はほぼ空くと考えられ、他の診察に時間を当てることが可能です。

 

話がだいぶそれましたが当院の予約枠は30分1枠ですので、診察に30分かからない場合にはお待ちの飼主様の診察に当てることが可能です。時間が短いので「その間に手短に診察を済ませる」ということは僕の性格上絶対ありえませんので、必然、お待ちいただく時間は長くなります。ですが行い、お伝えできる情報の精度は予約の有無は関係ありませんのでご参考にしていただきたいと思います。

 

よろしくお願いいたします。

 

小野寺動物病院 小野寺史也

 

歯石とデンタルケアについて

2017年10月16日

今週は秋雨前線がずっと列島にのさばっているらしく、肌寒い上に天気も悪いと来て憂鬱ですね。

院長の小野寺です。おはようございます。

 

今日のブログでは犬・猫の歯石と歯石除去、日頃のケアについて書いてみたいと思います。

よろしくお願いいたします。

 

例によって最初に結論(大事なこと)を書きます。

●犬や猫の歯垢は2から3日で歯石に変わってしまう。

●沈着した歯石は主として物理的な力をかけないと落とすことが難しい

●歯周病など悪さを起こすのは歯茎と歯の間の歯石だけ

自宅では「歯石の付き始め」が起こらないようなケアが重要。

 

ということです。

細かい所を大分端折りましたが今回のブログは長いです。

 

ではでは以下に詳しく書いていきたいと思います。

 

歯石(tartar)とは口の中のミネラルや汚れ、細菌が結合してできた硬性物質のことです。歯石に固まる前の状態を歯垢(plaque)といいます。

人でも沈着する場合があり歯医者さんなどでとってもらうことが多々ありますが、犬や猫は歯垢が歯石に変わる速度が段違いに早いのです。

 

これは口の中のpHが関与しており、人の口内が酸性に傾いているのに対し、犬や猫の口内はアルカリ性に傾いているからです。犬や猫には人にはない頬骨腺という唾液腺があり、ここからアルカリ性唾液が分泌されるからです。

(このため、犬や猫では齲歯、いわゆる虫歯は比較的まれな疾患です)

 

一度くっついてしまった歯石は化学的にガッチリと歯に接着してしまっているため、布やブラシでこすったくらいでは動きもしなければ削れもしません。

小さくする事ができなければ自然と歯石は大きくなるしかありません。

歯石と接触している歯茎では炎症が起こるため(歯肉炎)歯茎は後退し、交代した部分にさらに歯石が沈着します。(歯槽膿漏)

犬や猫の臼歯は多根歯といい、噛む力を集めて高めるため歯茎からほど近い所で歯根が分岐しています。

この分岐部まで歯茎が後退してしまうと口腔内雑菌にとって格好の繁殖場所となり、膿瘍は歯の根元まで届いてしまいます。

歯の根元は歯の石灰質も薄く、また頬骨も薄いためここで強い化膿が起きると目の下の皮膚下に膿が溜まったり皮膚が裂けてしまうこともあります。

また、下顎の歯の場合根っこの化膿がひどくなると骨折の原因にもなります。

 

多根歯ではない単根歯の場合の経過はもっと早く、歯茎の3分の1位が後退すると動揺(押すと動くこと)が始まります。顕著なのが前歯(門歯)で、特に前歯は肩を寄せあって生えているため1本が抜けると次々抜ける傾向が強いです。

 

犬歯の場合は独立して生えているので他の歯からの影響は少ないのですが、歯が大きく歯周ポケットも深いため奥歯と比べて悪くなりにくというものではありません。

犬歯の唇側の歯茎は薄いため退行しやすく、犬歯の根尖部は鼻腔と非常に薄い頭骨で隔たれているのみですので化膿性鼻炎の原因になることが多くあります。(口腔鼻腔瘻)

 

・・・とここまでは「歯石対策をしないと口の中がエライコッチャになりますよー」という内容を書いてみました。

それではエライコッチャにならないためにはどうしたら良いのか書いてみたいと思います。

 

●歯石をつけないためには?

歯の表面に歯石が沈着していない場合、歯石の全段階である歯垢の時点で除去するのが理想です。

この場合最も理にかなった方法は「物理的摩擦」つまり歯磨きです。ただよほど慣れている子でないと歯ブラシを口に入れられることを嫌がりますので指に手ぬぐいを巻いたり、太めの綿棒で「歯磨きじゃないよ、歯茎のマッサージだよー」とこすってあげるのがおすすめです。

もちろん嫌がる場合には諦めましょう。歯磨きが原因で動物に飼主様が嫌われては元も子もありません。

させてくれる子の場合はよる寝る前がタイミングとしてベストです。

歯垢の硬化は唾液の動きが少ない就寝中に起きますので。

 

●歯石がついていない時

満1歳半未満の子のほとんどです。

歯垢の段階で拭ってあげることが最も刺激が少なく、また歯肉炎もないことから痛みがなく、口に手を入れられることに抵抗があまりありません。

この時期から習慣づけて置けると歯の寿命の延長効果が大きく期待できます。

 

●すでに歯石が着いてしまっている場合(軽度)

軽度とは、歯にうっすら色が付いている時期から、歯茎にそって歯石が付いているが歯茎が赤くなっていない時期のことです。

この時点ではできれば早いうちに無麻酔でのハンドスケーリングもしくは歯垢除去剤の使用が勧められます。

ただし色づく程度の場合に鋼性器具で歯の表面をこすると、歯の表面に微細な傷ができてしまい歯石がつきやすくなる可能性があります。

一部が色づき、一部に塊がある場合には塊のみハンドスケーリングで除去すると良いと思います。

 

●歯石が歯茎を押し上げ始めている場合(中程度)

歯石に接している歯茎が周囲よりも赤く、押すと簡単に血が出る場合には、なるべく早急に歯石を除去する必要があります。

今日よりも明日、明日よりも明後日・・・と歯茎は確実に退行していっているからです。

しっかりと全身麻酔をかけて除去すれば歯石除去の効率は最大なのですが、全身麻酔は100%安全であるとは言えません。

ですので当院ではあまり嫌がらない子の場合は無麻酔でのハンドスケーリングを、嫌がってしまう子の場合は鎮静化でのハンドスケーリングを提案する場合が多いです。

(嫌がって器具を噛んでしまう子の場合、歯が負けて割れてしまう危険があるからです)

 

鎮静は血圧・脈拍・処置中の記憶を落とすものですので意識は保っています。そのため鎮静化でのスケーリング時には局所麻酔を併用します。

 

●歯根の分かれ目が見えていたり、歯が動揺している場合(重度)

「エライコッチャ」になっていないのは、今まで運が良かっただけの状態です。

基本的に全身麻酔下での歯の処置(主に抜歯)を提案しますが、嫌がらない子の場合、せめてリスクを少しでも低減させるためにハンドスケーリングを行う場合もあります。ただ、「スケーリングで出来た亀裂が原因で化膿が進む」可能性もあります。

重度の歯周病になっている動物の大半は老齢ですので年齢はどれくらいか・現在口について困っていないか・心臓や他の臓器に基礎疾患はないか、を確認後どのようにすべきかを飼主様と決めていきます。

基本的に僕は動物が痛がっているのかいないのかを主軸に考えますが、麻酔リスクが0でない以上「どうするのが飼主様と動物にベストなのか」を探っていきたいと思います。

 

 

以上、歯について書いてみました。

 

当院でおすすめしている歯石予防、除去アイテムについては後日追記したいと思います。

 

よろしくお願いいたします。

 

小野寺動物病院 小野寺史也

 

 

 

 

 

 

 

ブログ・トピックス・ピックアップトピックスについて

2017年8月31日

多くの学生さんたちが憂鬱な気持ちでいることでしょう、8月31日の夜です。

こんばんは、小野寺動物病院院長の小野寺です。

 

いつの間にか作成した「トピックス」「ピックアップトピックス」についてご説明します。

 

そのうちにページ内に別枠として説明するつもりですがまぁ間に合わせというものです。ご了承下さい。

 

●ブログは僕が本ホームページ内のブログに掲載した全項目が載っています。お暇がありましたら覗いてみてください。

●「トピックス」はブログ内で動物との日常生活や過ごし方について書いてある項目の抜粋です。

●「ピックアップトピックス」は病院の考え方や指導の核について書いてある項目の抜粋です。

 

このため、「トピックス」と「ピックアップトピックス」は重複していません。

 

全ブログを確認するためにはブログで全てなのですが、ブログ内での重要な情報=「トピックス」+「ピックアップトピックス」となっております。

 

効率よくエッセンスを確認したい方には「トピックス」と「ピックアップトピックス」をご確認いただくことがおすすめです。

また、本ブログのみ例外として「ブログ」「トピックス」に当てはまるようにしています。

 

ピックアップトピックスの5つが、僕が皆さんに広めたい動物のためになることです。

 

よろしくお願いいたします。

 

小野寺動物病院 小野寺史也

 

診察予約についての院長独り言

2017年8月21日

お盆も過ぎ、半袖にもう一枚必要な時期になってまいりました。

今年は夏らしい、うだるような日が少なかったなぁ…と自分勝手な感想を感じる院長の小野寺です。こんばんは。

 

朝起きて朝食を摂り、午前の診察・手術をして昼食を摂り、午後の診察をして夕食を摂る。その後出かける生活をしている僕には、

そういえばそもそも外気温を感じる機会自体がないのでした。

まるでもやしか白アスパラですね(笑)

 

当院にて受診された飼主様はご存知かと思いますが当院は「半予約制」を導入しています。

開院当初の半予約制導入前はすごく混んでしまってお待たせする時間が非常に長い上、症状の重い動物に十分な時間がかけにくい状態になってしまっていました。

現在採用している半予約制は1件1枠30分を基本として診察していく方法です。

 

診察内容は全科診療ですので多岐にわたり、同様に診察時間も様々です。

例えば外耳炎治療の初期では15分位、外耳炎治療の観察基には5-10分位、血液検査による経過観察では5分位、

体調が悪く詳細な検査が必要な場合は30-60分位…といった感じです。

 

予約を最初にお入れいただくのは基本的に病態が安定している経過観察か、外耳炎の継続治療の動物が多いです。

次回の様子が予想しやすく、1-8週前に予約をお入れいただいています。

 

ですので当日に体調が悪い事に気づき、当院にご連絡いただいた際に「予約枠の空きがない」とお答えした場合でも、

診察治療の対応は可能な場合が多くあります。

もちろんそういった飼主様がたくさんいらした場合には、結局長くお待たせしてしまうことになってしまうのですが・・・。

 

結局、「当院での最も早い治療をご希望される場合には、すみやかにご来院いただき受付処理を済ませること」という最も単純なことに行き着いてしまいます。受診動物の重症度を事前に測れない全科診療のジレンマですね…。

 

それでも午前にいらっしゃた場合には午前中に、午後にいらっしゃった場合には午後の間に必ず診察をさせていただきます。

お時間がない場合には検査入院も可能です。

 

ちなみに診察開始時間の9時半と15時半にご予約いただいた場合には必ずその時間に診察を始めさせていただきますが、

以降の診察の順番は動物の病気の重症度などにより前後する場合があります。

9時半と15時半はお得な予約枠だなぁと思います。

 

極力お待たせせずに、それでもしっかりと診察していきたいと考えております。

何分1馬力(獣医師が一人という意味、ただし20時間ぐらいは病院にいます)なのでご理解いただけると幸いです。

 

初めて当院を来院される飼主様には、極力ご予約をお願いしております。

病状、症状の経過の説明もそこそこに検査・診察に入らざるをえない状況がありえてしまうからです。

動物への十分な診察・飼主様への十分な説明の時間が取れない事は当方も全く望むところではありませんので,是非ゆとりあるご予約をお願い致します。

 

もちろん各種ご事情によって直接ご来院いただいても全力で診察させていただきますが!

 

よろしくお願いいたします。

 

小野寺動物病院 院長 小野寺史也