2012年7月2日
汗っかき獣医師の小野寺です。 7月に入り、一年も半分が過ぎてしまいました。 今年の夏は例年に比べ暑くなるようで汗っかきの自分としてはつらい季節です。
病院内は動物の体調管理のためしっかり冷房しますが、自宅ではジェルマットなどを用意して 今年の夏を乗り切れればと考えています。
さて、この時期になるとニュースなどで報道されるようになってくるのが熱中症や日射病などの 夏季頻発疾患です。
特に熱中症は直接日にさらされなくとも体温の上昇によって発症する疾患です。
飼い主の方が取られる対策として多いのは日が沈んでからの散歩などですが、日没直後はまだ地面が熱を持っていますので要注意です。
また、夏季にはアスファルトで肉球をやけどするなどの疾患も散見されます。
そんな時に有効になってくるのが熱中症対策グッズ!…とはいえ、保冷剤入りの犬用服や靴下などの しっかりしたものは効果も高いですが高価でもあります。
自分の考える中で最もコストパフォーマンスが高いのはズバリ「スプレーボトル」です。
使い方も簡単で、散歩中に飼い主の方が暑さを感じたらイヌの全身に吹いてあげるだけ。
中身ももちろん水道水で構いません。(臭いが気になる方は1000倍くらいに薄めたリンスも有効です、が目に入らないように注意してください。
効果を高めるためにアルコールなどを含ませると気化効率は高まりますが同様に目に入らないように、また濃度を上げ過ぎないように気をつけてください。皮膚刺激性があります。)
イヌは体にエックリン汗腺という、いわゆる「汗」を分泌する腺を持たないのは有名な話です。
ただし汗はかくことでも体温を下げますが、汗が蒸発するときの気化熱として熱を持っていってくれます。
お散歩バッグにスプレーボトルは少し大きいかもしれませんがそんな時は100円ショップなどで売っている 霧吹きでも同様の効果がえられます。
体が大きいと指がつりそうになりますが(笑) 熱中症での死亡率は、報告にもよりますが36%と言われています。
大切なのは「健康な子」が発症した場合でも3頭に1頭は死亡する、ということです。
対策しすぎということはありませんからみなさん是非留意してください。
小野寺動物病院 院長 小野寺史也