2021年9月 のアーカイブ

エリザベスカラーなどの創部保護材について

2021年9月18日 土曜日

9月に入ってから急に肌寒くなってきましたね。汗をかかないのは快適ですがシャツや上着を用意するのは少し面倒な小野寺動物病院院長の小野寺史也です。こんにちは。

今回は手術後などに舐めたり引っ掻いたりすることを防止するための対策について書いてみようと思います。
痒くて舐めたり掻いたりすることを掻痒といいます。
掻痒予防の代表は「エリザベスカラー」「術後衣」「包帯」などがあげられます。
結論から言いますと僕が最もお勧めするのは「軽くて軟かいエリザベスカラー」です。
以下に各種の特徴と長所短所を書いてみます。
1.エリザベスカラー
 特徴:首に巻く扇状の保護材で口が患部に届かないようにするとともに、顔を掻かないようにすることが出来る。
 長所:比較的安価、脱着が容易、確実性が高い
 短所:嫌がる動物がいる、周囲が見渡せない、頭が重くなる、物に当たった際動物が驚く、食餌が摂りにくい、食餌によって汚れやすい
2.術後衣
 特徴:患部を覆うことで汚れや引っ掻きから患部を守ることが出来る。
 長所:脱着の必要がない、視界が遮られない、素材によっては濡れからも防御できる
 短所:嫌がる動物がいる、患部の確認が出来ない、素材によっては不衛生な状態が続く、フィットするサイズが選びにくい
3.包帯
 特徴:患部を狭い範囲で覆う方法で、絆創膏も広義の包帯に含まれます。
 長所:ほぼいつも通りで生活できる。
 短所:嫌がる動物がいる、誤飲の可能性がある、患部の確認が出来ない、部位により装着できない、毛が生えていると装着できない
動物病院で処方する場合、基本的に僕はエリザベスカラーを選択します。掻いたり舐めたりしないことが第一の目的で、次いで患部に起きる変化を確認してもらうことが重要だからです。カラーをすると固まってしまう子などでは術後衣の使用を考えます。
現在当院で使用しているカラーは20g前後と非常に軽く、スポンジ材ですので軟らかい物を採用しています(700〜1500円)。飼い主様ご自身で選んで購入する場合は「軽さ」「軟らかさ」を重視して選んでいただければ負担が少なくなると思います。
安価で首あたりが柔らかく、透明なカラーのサイトを張っておきます。よければご確認ください。うちで700円で渡しているカラーもこの商品です。→https://item.rakuten.co.jp/vivitore/zl004/?s-id=ph_pc_itemname
そもそもエリザベスカラーは持続的な掻痒がなければ(手術後の傷の回復を待つ場合など)装着期間は1週間未満です。立派で高価なものを購入したい気持ちを否定するつもりはありませんが「もったいないのでは」と思ってしまいます。それこそ猫の術後エリザベスカラーはどん兵衛の容器で十分とも思います。
もしも悩まれることがありましたら購入する前に一度ご相談いただければと思います。僕たち獣医師も動物が生活する上で問題になることについては対策がないか探しながら生活していますので…
よろしくお願いいたします。
小野寺動物病院 小野寺史也